理想の声を目指す

自分の声と付き合う

    声は「心の状態を映し出す鏡」のようなもの、と私達は考えています。

    これは、自分では全然意識していなくても、声の状態がたくさんの情報を周囲に示して
    いるという事です。声だけでなく、態度なども情報には含まれますが、声の印象が相手に与えるインパクトはかなり大きいのです。 電話やラジオ・CDなどの場合は姿が見え
    ませんし・・・。

    日常生活においての様々なシチュエーションでもこのことは当てはまりますし、
    もっとはっきり結果が出てしまうのが、声を使って表現する「歌」においてです。

    どんなことが情報として伝わるかというと、
    本人の精神状態やその日の体のコンディションをはじめ、今までのその人が身につけてきた技術の習得度合いなどはもちろんのこと、その人が普段考えていること・価値観・
    美意識・好み・哲学・信条・・・・一言で言ってしまうと、その人そのものが声に反映されると思うのです。

    そして、その表現された声の状態により、 私たちはいつの間にか他人に対して何らかのイメージを抱きます。日常のシチュエーションを例にとりご説明しましょう。ちょっと極端な例ですが、この方が想像しやすいと思います。

    まず、小さな声で言葉を選びながらゆっくりゆっくり話す人の場合です。おとなしくて
    穏やかな人柄をイメージさせます。誠実さや謙虚さ、慎重さや丁寧さを重んじる印象も
    受けます。
    しかし、一方でこう見られる可能性もあるのです。イマイチ元気さに欠け、やる気や
    自信があまりなさそうな雰囲気を感じさせます。頭の回転がそんなに早くなさそうな
    印象も抱かれてしまうかもしれません。

    逆に、大きな声で早口で話す人の場合です。 非常に勢いがあり元気で明るく、積極的な
    エネルギーに満ち溢れている状態に見えます。 しかし違う見方では、少々うるさく、話す
    ペースが早すぎることから、自己中心的で無神経な人という印象を抱かれたり、大雑把
    な性格、深く考えない無責任さなどを連想されてしまうかもしれません。

    上記の様に、私たちは普段の生活において、無意識に他人に対して何かしらの印象を
    抱いてしまうものです。

    自分が他人に対して何かしら印象を抱くということは、 自分に関しても他人から何かをイメージされているということと
    自然とつながりますが、自分が無意識
    に選んでいる「声の使い方の習慣」や
    「話し方のクセ」などが、時には話して
    いる内容よりも、こちらの心理状態や、
    考えていることを 的確に相手へ伝えて
    しまう・・・。

    気づいてみると、これって結構怖いことだと思いませんか? 何故なら、世の中にはこちらの困った様子に「しめしめ・・」と
    つけ込んでくる人がいるからです。

    良い印象を抱かれるだけならば心配する必要はないですし、こちらの不安そうな表情
    などを微笑ましく受け取ってくれ、「理解しよう」、「合わせよう」としてくれる相手ばかり
    ならば、とても人生を渡っていきやすいのですが、そうとは限らないのが様々な人が
    共存しているこの社会です。
    知らぬ間に内情を読まれてしまうと、場合によっては相手に優位な立場に立たれ、
    こちらが不利な状況に陥る可能性が高くなります。

    このことは心理的な駆け引きが勝敗を分けるビジネスの場合では特に言えること
    ですし、 人間同士が関わる以上、プライベートの場面でもやはり同じことが言える
    と思います。人は一人では生きていかれませんから。

    では、どのように声と関わっていけばいいのでしょうか? 

    なかなかすぐには答えが出てこないかもしれませんが、少しずつ考え始めてみましょう。

    新たな知識を得たり、情報量を増やすことで、自分を守ったり、センスを磨いていくことができます。

    今までさほど意識して扱ってこなかった「声」のことを、
    これから一緒に考えていきましょう!

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